2017年12月21日木曜日

ハードウェア(&日本国内)視点から見る #Nutanix の歴史


本記事はNutanix Advent Calendar 2017#1の12/21分記事です。


ある方にお誘いいただきまして、

今年はAdvent Calendarに初挑戦です。

さて、超プロフェッショナルな方々に囲まれて、

ネタが被らないようにどう書こうかと思った時、

誰も書かないであろう、Nutanixの歴史を

Generationを見ながら書こうと思いつきました。

Nutanixとの出会いは2012年も終わりなので、

まだ日本法人もない頃。

日本法人の社員の方々よりも無駄に歴史を歩んできたという

役に立たない(!)ネタをお送りします。

Nutanix愛に溢れる方には、必修科目をお届けします(笑)



さて本題。

本記事の執筆時点、

NXシリーズはG5が提供されています。

じゃあ過去はどうだったか。

どんなHWだったか含め、遡ってみましょう。

なお、執筆者はNutanixの中の人ではないので、

もしかすると誤情報もあるかもしれませんが、

外から目線ですので、そこはご容赦ください。

※(執筆後追記)思ったよりボリューミーでごめんなさい。。。


◆第1世代<FusionIOが特徴の世代>

最初の世代はFusionIOが載っていました。

この頃は完全にHWの製品というイメージ。

スピードに関してもFusionIOを載せて、

キャッシングを上手くしているので速い!

というイメージで聞いていました。

分散ファイルシステムは勿論出来上がっていましたが、

この段階ではまだHW依存でスピードを稼いでいた印象です。

国内入りたてなので、

検証で流通したのもまだ僅かだと思います。

当時はまだ日本法人はなく、商社さんがUSから

持ってきて立ち上げ、という時期でした。

(この世代については、自分も触っていませんでした。)


◆第2世代 <SSDシフト。唯一のQuanta製>

この世代になってイキナリ、FusionIOが外れました。

Intel SSDに変更され、今の2SSD+4HDDのNode構成

の標準にはこの頃なったイメージです。

大体2013年初からこのHW世代になった覚えがあります。

当時、FusionIOが載っているから速いよ!

みたいな情報をもらっていたので、

急にIntel SSDになった時は一抹の不安を覚えた記憶があります。

しかし、OS(当時はNutanixOS=NOSと呼んでいた)が

3.0にいよいよなりまして、

意外と上手くSSDとHDDのティアリングを活用し、

IOが出ていたイメージ。

VDI環境で利用しましたが、

IOの性能不足に陥る不安がないという当時では画期的な状況でした。

ただし、HWに乗っているCPUが2.2GHzくらいで、

コアも8くらいしかなかったので、

NOSでとられる分を考えるとあまり集約率が高くない

というジレンマに陥っていた印象です。

HWに再びフォーカスしてみると、

この世代だけQuantaのサーバを使っていました。

事情は中の人ではないのでわかりませんが・・・。

サーバメーカーが変わって困ったことが一つ。

(奥行きが)長い!ので、ラックによっては収まらない事態に。

いや、筐体は収まるんですが、

SFP+のケーブルが扉との兼ね合いで

直角に曲げられるという事件に遭遇しました(遠い目)


何か事情があったと思いますが、

Quanta製はこの1世代だけでした。(ホッ)

ちなみにこの頃はまだNOSは現在のPrismの様な

インターフェースとはちょっと異なっていました。

ただ、DISK容量などはGUIで視覚的に

わかる様にしていた点では、当時画期的だったかなと。


この世代で日本国内本番環境の

ファーストリファレンスユーザが出てきました。

この頃からぽつぽつ売れ出したのかなという感じですね。



◆第3世代 本格的な安定普及モデル

2013年後半から第3世代へ。

Supermicroに戻ってきました。

この頃からHW構成もいよいよ現在のNXシリーズの

礎になるモデルラインナップになってきました。

CPUの選択肢も増え、より高クロック・多コアが選択できるようになり、

DISKも高容量モデルの6000シリーズが登場してきたことで、

現実的にVDIで利用できるようになり、

普及を後押ししたモデルと言えるでしょう。

ただし、HWのIPMI機能に少々難があり、

HW障害を上手に通知できないという問題がありました。

(後の世代では解消されています)

この頃にNOSはv3.5へ。

いよいよ現在のPrismと同じインターフェースになってきて、

より視覚的に情報を詳しく見れるようになってきました。

ソフトウェアも機能追加から洗練の色が濃くなり

高いパフォーマンスを安定して出せるようになってきました。

この世代の頃で、Nutanixの主要ソフトウェア機能の

バグ出しは概ね終わったと言っても過言ではないと思います。

事実この世代で2,000台規模のVDI環境を実装した事例では、

多ノードでのスケール上の問題も起こらず、

IOもどんなストレージ使った環境より安定したIOを提供しました。

VDIと言えばHCIを確固たるものにした世代です。

なお、この裏でXCシリーズが静かに走りだし始めていまいた。



◆第4世代 多モデル化、更に普及のモデルへ

CPUリフレッシュとして、次の世代へ。

ここからIntelのCPUリフレッシュを考慮した、

モデルチェンジ体制に移ってきました。

更にラインナップも増え、

本格的にエンタープライズアプリケーションの稼働を狙ってきた世代です。

例えば8000シリーズはCPU/MEM/SSDとも

かなりヘビーに載せられるようになり、

DBやExchangeサーバなど積極的に狙いにきました。

また、この頃からHWモデルの混在もサポートされるように。

OSもNOSからAOSと呼ばれるようになるなど、

ソフト面でも1段先に進んでいます。

特にソフト面での変化が、1Clickを本格的に打ち出し始めたことです。

現在ではAOSの代名詞であるSWの1Click Updateも

しっかり実装されてきたのはこの世代の頃に出てきたAOS4.xから。

ここでNutanixとしてはシンプルなインフラを提供するという

世界観を一応完成させた、というところでしょうか。

確かメッセージも単なるHCIではないといい始めたのも

このころだったと思います。

背景には少しずつHPやVMwareがHCIに注目し始めたことがあります。

HPは自社で持っているStoreVirtualベースの製品を世に送り出し、

VMwareはVSANを提供し始めています。

(この時のVSANと今のVSANは中身が別物)

HWにもう少し言及すると、

選択できるパーツやモデルが増えてきた為に、

構成パターンが数万レベルに膨れ上がったこと。

このころからSizerくんが必要になり、

本格的に利用され始めました。

ここでSizerというものを提供し始めた点が、

後々Nutanixが気に入られるポイントの一つに。


この世代ではプライベートクラウドなどでも採用が広がり、

様々な導入事例が広がってきました。

またこの世代から、メーカーのグローバルサポートが

日本でも提供開始となりました。

従来のグローバルサポートは英語のみであったため、

国内では販社のサポートが提供されていましたが、

普及に合わせて、メーカー側で日本人のサポート部隊を

本格的に組織されてきた世代です。

この立ち上げの頃からメーカーサポートを利用していますが、

他のメーカーでは中々ないクオリティのサポートに

感動した覚えがあります。

このサポートがあるから他の方にも紹介したいと思える、

そんな製品に育っていったのではと思います。



◆第5世代 そして定期リフレッシュ、Broadwell世代へ

お約束のIntelのCPUに合わせたリフレッシュです。

第4世代でかなり世界感が完成したので、

第5世代は大きな革新というほどではないですが、

ストレージノードの登場など、

細かなニーズを埋めるようになってきました。

かゆいところに手が届く的な。

パターンもかなり増えてきたので、

構成のバリエーションもかなり増えました。

おかげさまで工夫の余地もかなり増え、

案件によってモデルの組み合わせを工夫することで、

トータルコスト20%程度を抑えたりという職人芸も登場(笑

Sizerの重要性が増しました。

この世代が現在もメインストリームとなり、

販売され続けていますし、

新たにHXやCISCO・HPE対応してくるなど、

HW対応の幅が一気に広がってきています。

それだけ普及したということですね。



◆そして次の世代は?

現時点、NXについてはBroadwell搭載のG5までが提供されています。

一方でHX・XCはSkylake世代をリリース済みです。

これ以上は言及しかねますが、

近い時期にSkylakeも登場してくることは想像に難くないでしょう。

次はCPUだけでなく、新たなHWの進化もあるかも?!




長くなってしましましたが、今回は以上です。

Nutanix自身はソフトウェアの会社ではありますが、

HWの側面からみても面白いですね。


今回は以上です。